日本語がとてもうまい中国人でもよく間違えてる印象を受ける表現の一つ、「住」という言葉。
たとえば、たった数日しか滞在したことない旅行先に「住んだことがある」と言ったり、たった数泊しかしない予定のホテルに「住む」と言ったり。
日本人からしたら「え!?住むの?!」ってなりますよね。
なんでこういう不思議な間違いが起きるのかまとめてみました。
短期的な滞在でも「住」をつかう中国語
中国語の 住 という言葉には「住む」という意味だけではなく滞在する、宿泊する、入院するといった意味があります。
例えば、このように使われる。
住了两天
→2日間滞在しました。
住了两年
→2年間住みました。
期間の長さに関係なく同じ「住」が使えます。
逆に日本人の私にとってはむずかしい表現で、中国のホテルを予約するときに苦戦した記憶があります。
去哪儿网で予約していた上海のホテルにいざ向かうと大陸身分証を持っていないという理由で現地で断られるという予想外の事態。絶望の中今日外国人でも泊まれるホテルはないかと上海のビジネスホテルに電話をしまくりました。今思うとああいう危機的状況が一番中国語を伸ばす機会なんだよな。。
「喂 你好,今天有房间吗」
今日空いてる部屋はありますか?
「我一个人住」
私一人で泊まります
「我是外国人,没有大陆身份证,只有护照,也可以住吗」
外国人なので大陸身分証ではなくパスポートしかないですがそれでも泊まれますか?
この一件で「住」という言葉は忘れがたい言葉となりました。
こういう背景を知ると、中国人が日本語の「泊まる」を「住む」と言ってしまうのも頷けます。
「住」には留まるニュアンスがあると思う
実はこの「住」に「泊まる」という意味があるというエピソード以外に、「住」って便利な言葉だなあと思うことがあります。
你记住了吗
覚えられましたか?(例えば行き先を説明された際に、確認で聞かれたり)
忍不住
我慢できず
(我慢できなくて止むを得ずとか)
hold不住!
コントロールできない!
(彼女が手に負えない、仕事が手に負えないとか。控制不住や搞不定のニュアンス。)
そう、全部「留まる」というニュアンスが共通している!!!
補語としてつかう住は本当にたくさんありますが、留まるイメージをすればスルスル出てくる。知らない単語でもなんとなく、住をつけたらいけるだろうなと思って使ったりします。
中国人が日本語で「今度沖縄のホテルに住むだけどね〜」とか、「前に3日間だけ京都に住んだんだけどさ〜」とか言ってしまうのも、きっと頭のなかに「留まる」イメージがあるからだと思う。
ちょっとした間違いにも絶対理由や、母国語のルーツがあって、それを辿っていくといろいろ繋がっていくのは楽しいです。