トレンドの話や語学学習の話をしてきましたが、今日は実際に住んでみて思う”中国人と韓国人の愛国心”の話をしたいと思います。
といっても私の出会って来た中国人韓国人は全世界のほんの一握り、もちろん隔たりもあると思います。
でも、日本にいるだけでは絶対に出会えないような”中国しか知らない中国人”、”韓国しか知らない韓国人”と話す機会は他の日本人と比べて圧倒的に多かったはず。
そんな中で漠然と「愛国心のカタチっていろいろあるんだな・・」と思うことが多かったので、
このへんで忘れ無いうちに残しておきます。
愛国心の強い国はどこか
「愛国心」
なんだかこの言葉には不思議な重みがありますよね。
この言葉は読み方は違えど中国語でも韓国語でも「愛国心」です。
日本語だと、なんだかバランスを失ったような(右寄り左寄りという言葉が存在するように)消極的な印象を与えるこの言葉。
何を持って「愛国心」、とするかは色々ですが。
「国家」を個人のモチベーションに変える力の強さで並べるなら、
韓国>中国>日本
が私の感覚にしっくりきます。
韓国人の愛国心はやや排他的。
韓国人は韓国・韓国語のことを「ウリナラ」「ウリマル」と言います。
「ウリ」は「私たち」という意味。
この言葉が表すように韓国人の中には、韓国は「自分たちの国」という意識があるなと感じます。(いや、間違ってないんですけども)
決して意識して「ウリ」という言葉を使っているわけではないと思うのですが、
韓国留学時代にオバちゃんから教会の勧誘(韓国は国民の半数近くがキリスト教徒)を受けた時
「あなたウリマル話せるの?」と聞かれた時になんだかモーレツに違和感を感じたのを思い出します。
(韓国語って言えばいいのに・・)
そして、自国製品を愛する。
(中国人はできるだけ自国製品を避けるのに笑)
クルマ、家電、スマートフォン・・・
もうこれはiPhoneを除き ”ヒュンダイ、サムスン、LG” で間違いないです。
彼らと話していると、”韓国”という国の文化、”韓国人”という自分に自信を持っているのがすごく伝わってきます。
いや、でも実際イケメンも美女も比率で見ると絶対多い。(笑)
ただ。
彼らの愛国心はどちらかというと”排他的”です。
自分たち と それ以外
という概念があり、日本だとそれ以外という対象に対して”無関心”になるところ韓国だと”敵”になりがち。
中国で「尖閣諸島(釣魚島)はどこの国のもの?」と聞かれたことはないのですが、
韓国で「竹島(独島)はどこの国のもの?」と聞かれたことは思い出す限り何回かあります。涙
街を歩いていてもあらゆる場所に”独島はウリタン(私たちの土地)”というスローガンを見かけますし、
なんなら、観光地のお土産コーナーに独島グッズが置かれていて、そこに置いちゃうのね・・!と少々驚くことも。
まあ、でも主張することは悪いことじゃないと個人的に思いますし、
きっと団結するにはいい材料になっているはずです。
それに対して反論する気にもなれません。
ただ、「そんなこと聞いてくるやついるの!?ありえない!」と驚く韓国人もたくさんいます。
しかーし!
この排他的、国外ではなく韓国人同士でも見られるなと。
まず、一族経営の存在。
これはもはや強烈な韓国文化だと思います。
日本にも一族経営の企業はそれこそたくさんありますが、
韓国の場合は国を代表する多くの大企業が一族経営されています。
アジアの富豪一族ランキングの韓国人の多いこと!!!
堂々の1位はサムスンの李一族。
forbesjapan.com
もはや”世界のサムスン”ですが、ここまで大きな会社を一族で経営しているなんてすごすぎる・・
まさに 自分たち と それ以外 の構造が支えているなと思わされます。
そういうこともあってか?韓国ドラマも一族経営系多し。
小麦粉まみれになりながら白い歯を輝かせるユンシユンの”製パン王キムタック”も実はそういう話です。
パンからのドロドロ権力争い・・・発想力が神のレベル。
そして韓国のアイドルグループの中国人が脱退しがちな件。
もれなく訴訟を起こして帰国してますが、中国で生き生きと活躍する彼らを見て、
韓国で何があったんや・・と思います。
そんな韓国のナショナリズムを一番感じる日はやはり8月15日の光復節だと思います。
高層アパートが多い韓国ですが、この日は各家庭がベランダから一斉に太極旗を掲げます。
私が韓国にいた時の光復節は大雨でした。大雨に濡れるたくさんの太極旗を見て、なんとも言え無い気持ちになったのを思い出します。
ここまで話すとなんだか陰湿な印象ですが、
私はそこにパワーを感じるので韓国が好きです。
同年代の友達と話していても、異常に就職に対して悲観的だったり、老いることを恐れていたり、ちょっとした悲壮感を感じます。
ただ、それを行動力に変える強烈なパワーが韓国人にはあります。
なんといってもアウトドアな人が多い。
謎の登山人口、河川敷に必ずあるサイクリングロード、やたら開催されるランニングイベント・・
ゲーマーも多いですが、ゲーマーさえも外に出て(PCバン)仲間とゲームします。
韓国人といると、なんでそんな生き急いでるんだろう?!と思う反面、
人生を楽しんでやる!!!という姿勢によるものなのか、面白いことが起こることが多いです。なんでだろう(笑)
中国人の愛国心は、歴史のプライド。
中国人は純粋に自分の国が好きだなと思います。
ただ、「中国」そのものというよりも”今の中国を成り立たせた雄大な歴史”にフォーカスがあると感じます。
いまの中国が成り立つまでの歴史に異常に詳しいのと、節目節目の行事を大事にします。
若者であっても「中国には昔こういう話があって・・」と自分の国を語ることができる人が多いのは純粋にすごい。
日本や韓国の文化はもともとは中国発という中華思想は未だにありますが、
排他的というよりは、独自の発達を遂げた日本文化に対しても尊敬の意を表すような余裕も感じます。
中国はすごい!!!中国人はすごい!!!と声を荒げる人に出会ったことがないです。
多分そんなこと騒がなくていいほど歴史が裏付ける確固たる自信が中国人を支えているのでしょう。
そして、中国人は色々な文化を許容するキャパシティが広いなと思います。
「歓迎」というよりも「混沌」に慣れている。
私たちと同年代の中国の若者は小さな頃から身近に日本アニメがあり
韓国ドラマも当たり前のように馴染んでいます。
中国の製品を使おう!中国の産業を守ろう!
そんな意識は微塵も感じません。
むしろ「中国産はできるだけ使いたくない」という中国人は多いです。
意外ですが本当に多い。
中国、一致団結!!!というよりも、
多くの国に存在する華僑、チャイナタウンに見られるように、
方向性や損得が一致するような時にすぐ集まって助け合うイメージ。
その分不要になった時の解散もはやい(笑)
臨機応変具合はピカイチです。
それがスピード感を生みつつも混沌さを作っていると思います。
街中に掲げられている「私たちの祖国中国、礼儀正しい中国人」のようなスローガンなど誰も見ていないに等しく哀愁が漂っています。
このように中国人には臨機応変な団結力はあるものの、
あくまで「国」と「自分」は切り分けるドライさを感じます。
私は中国人だ!!!中国が大好きだ!!!というよりも、
家族が大好き→家族がいる故郷が大好き→故郷がある中国が好きと言ったような。
なので、中国人であっても「中国」の悪口は平気で言います。
「中国製品は使いたくない、マナーが悪いのが許せない、空気が汚い、野暮ったい・・」
本当に”中国人が”こういうことを言います。
ただ、”故郷”や”家族”を悪く言う人を見たことがありません。
中国に不満はあっても故郷や家族は何より大事、よって中国という母国も大切というロジック。
故郷愛は本当にすごいです。
「老北京」「帝都」「魔都」のように愛称が多い。
「你是哪里人?(どこ出身ですか)」
をまず初めに聞きます。
ただ、北京VS上海のバチバチした感じは謎です。何で闘ってるんだろう?(笑)
というわけで、中国人の愛国心はひとえに「国」というよりも
もっと身近を愛するところから来ているなの感じるのです。
と、ここまで韓国中国の愛国心に対して思うことを書いて見ました。
じゃあ日本はどうなのよ、と。
と、これはまたの機会に書きたいと思います。
自分の国なので客観視できないという問題発生。
私は日本がすごく好きです。いや当たり前ですが。
日本食うますぎるし、いちいちオシャレ、洗練されてる。しかもどこ行っても衛生的。
ゴミのポイ捨てなんて普通の感覚持ってたら絶対にしない。誇らしいです。
ただ、日本以外の国を見たことがなかった時に私が思っていた
日本はすごい。ひらがなカタカナという独自の文字を持っていて、漢字まで使う。箸も器用に使えるしお寺や神社もいろいろな場所にあって、お祭りのときには浴衣を着て・・アニメや漫画が発達していて、、クールジャパンって言われていて・・世界中で日本車が走っていて・・パソコンは絶対VAIOがいいし・・世界のトヨタとソニーを生んだ技術大国
この手放しで日本すごいと信じていたのは今思うとすごい危険な香りがします。
きっとテレビとか、周りの大人の言葉を信じきっていたと思います。
今になって思うと、ぜーんぶ正しいのですが
これって別に他の国でも言えるなと。
例えば韓国人中国人も箸使えます(笑)
これ、めちゃくちゃ当たり前なんですけど初めて韓国に行った時にハッとしたんです。
あ、そういえば箸使える日本人だけじゃなかった・・
韓国人だって節目にチマチョゴリ着るし、韓国ドラマ世界中で見られてるし、現代バンバン走ってるし、GALAXYめっちゃ使ってる人いるし・・
あれ・・・
日本・・世界の日本・・
日本もすごいんだけど、でも日本だけじゃない。とハッとした瞬間だった。
ていうか、日本は十分すごすぎるんです。
でも、日本だけがすごいということは全くないし、
日本すばらしいよね!と信じきっていたら知らぬ間に周りが存在感を増してきて、
どんどん存在感なくなるんだろうなと感じます。
と!
長くなるのでまたの機会に・・・